美野田啓二のバランス通信「変わりたいけど・・・no2」in東京 vol,5
- 2010.11.18 | BTUブログ
自己を変化させるためには、自己同一が強い適応傾向を持っているので、それを応用して、その適応を強いられる自分と社会との関わりを変化させることです。.
つまり、環境(生存条件)に適応することで進化が生まれるのです。
しかし、この進化の場面には常に「危険」が伴います。進化に失敗すれば、自己が脅かされてしまいます。
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これまでの進化の過程を振り返ると、環境の変化に強い生物ほどその能力を発展させることはありません。
逆に、環境の変化に脆い生物ほど進化が目覚ましいのです。
そういう意味では、われわれは進化の頂点に立っているわけですが、
最も環境の変化に敏感で脆い存在とも言えます。
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そして、私たちの適応すべき対象は社会(他者)であると言えます。コミュニケーションが社会統合を形成できるのは、コミュニケーションの実践が社会性としての人間の根源的な活動であるからです。
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ホメオストレッチを行うことの重要性は、自己自身、自己と他を「シンメトリック」な環境におくことになり、そのことが、相手を感じて自己統合をする世界を広げていくことになります。
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さらに、脳幹を再活性させる生理学的なリラクセーション状態は、脳幹に存在するドーパミン駆動の神経核(A10神経)により、適応に必要な活力を再生します。脳幹と脳の各部位を結んでいる神経は、身体のみならず、「直観的理解」である、快(自己受容)を生み出していくのです。
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変わりたいと思えば思うほど自己同一性により変わらない、あるいは、変わったようでも、すぐ元に戻ってしまう。
この傾向には2つの特徴があります。
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まず一つは、緊急反応的な刺激(ストレス過多、つまり興奮)は、ホメオスタシスにより安静な状態(元の自分)へ引き戻されること。
二つめは、変わりたいという「意図や作為」です。
変わりたいというのはある種の自己否定です。
変わりたいと思えば思うほど、
自己を否定することになり、その結果、緊張を生み出します。
だから、変わりたいという否定を否定する、
つまり、「作為や意図」を排除することで肯定を生み出すのです。
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あるがまま、「自覚」的に今の自分を受け入れて(自己受容)、
「無為自然」な状態をつくることが大切です。
そうすれば、われわれの脳は、環境に自然に適応していきます。
「ああしたい、こうしたい」という作為が、
逆に緊張を生む自己否定になるのです。
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来週に続く。