コロナウイルスの脅威、ステイホームのストレスに負けない家族の生活術1
家族の絆を強める自己成長力
家族関係の悩みの多くは、自分と異なる他者を自分の手の届くところに管理したり、支配したりしようとすることにあります。自分と違うことが許せず、自分の思いどおりにしようとします。自分と違う考えがあることが存在することが我慢ならない。そうすると相互に理解し合おうとすることは、いつしか理解しえないものを排除し攻撃する言動となってしまい、相互理解には到達できません。そして気づかないうちに、いつの間にか、愛であるはずのものは、相手を支配しあう、所有する愛となってしまいます。真の意味で家族の絆を強めるには、家族を構成するそれぞれの人のそれぞれの自己成長が必要になります。
家族のコミュニケーション法
ここでは、ストレスケア理論における家族とのコミュニケーション法を紹介していきます。
- 相手の眼を見て話す
相手としっかり向き合うことは信頼関係の第一歩です。ステイホームは、家族で会話する時間を増やすことができます。
- 相手の間違いを正さない
どんな人でも間違いを正されると腹が立ちます。正しいことは、時として人を傷つけるものです。何より、自分の意見や考えを否定する人は嫌いになります。
- 相手の関心に関心を持つ
相手の中心的な話題はたいてい「私のこと」です。信頼は「私のこと」を聴いてくれた人、理解をしてくれた人へ向かいます。
- 求められていないことは言わない
例えば、「片付けて」「手伝って」「勉強しなさい」「ゲームをやめなさい」「ゴロゴロしないで」など相手が求めていないメッセージになります。命令、指示、禁止、否定的な表現では、事態を改善できないばかりか、これが強まれば、虐待になりかねません。メッセージは、力まず、悩まず、力を抜き、まず相手のことを具体的にほめる、認めてから、伝えるようにするとうまくいきます。
・心配より信頼が大切
「親の心配は子のためにならず」といいますが、心配されて育った子どもは、将来、自分に自信が持てなくなります。心配しても誰の役にも立ちません。心配するよりも、信頼を大切にしてください。
そして、一番大切なことは、どのような問題であっても、問題解決の方法が大きく変わるものではなく、基本は一つです。それは、心身の緊張を解き放ち、無理なストレスによって疲労している脳の働きを回復させることです。
家族でできる脳を休め、再活性させる科学的方法
- 相手を正座か、椅子に座らせ、自分は相手の後ろに位置します。
- 相手の肩(僧帽筋)にやさしく手を置いてください。
- 次に、5秒ほど時間をかけて、ゆっくりと軽い圧をかけていきます。(強くすると効果が期待できなくなるので注意してください)
- 軽い圧をかけたら5秒間その状態を静止させます。静止後にゆっくり手の圧を解放させてください。
- これを10回程度行います。
最初はぎこちなくても、徐々に上手になりますので、安心してください。この技術は、科学的な実証研究でストレス反応を改善させる効果が確認されています。また、家族間の相互理解や信頼関係も回復できます。ぜひ、家族で試してみてください。
なぜ、そのようなことが起きているのかがハッキリと理由が分からないものが多いのです。私たちが考えているより、ずっと複雑で様々な因子が絡み合っています。誰かのせいにしたり、目に見えている問題だけを取り扱ったりしているだけでは、本質的なものから離れてしまいます。
ここが悪いので、これを取り除けば解決するというのは、外科手術的な対処療法です。問題の排除、無害化をするだけで、人間性に焦点が届かずに根本的な改善にはなりません。
家族の幸福は、家族を構成する一人一人の自己成長にかかっているのです。