ストレスコントロール
- 2020.04.9 | 代表ブログ
問題が起こったときに、例えば、職場では
上司や同僚のせいだと考え、家に帰ると妻や夫、
あるいは舅や姑が悪いと思う。
なかには運命や運勢、名前の字画とか宿星のせいにしたり、
霊の祟りが原因であると考えたりする人もいる。
しかし、そのような受け止め方はストレスを増幅し、
苦しさを募らせることになりかねない。
仏教で言う「苦」とは、思いどおりにならないことだと
述べられているが、他人や、自分以外の何か、
それらは決して自分の思いどおりにはならないものである。
そうしたものに原因 を求めるのでなく、
自分に原因があると考えるとき、
私たちは自己決定性を取り戻し、
はじめて事態を打開する可能性を手にすることができる 。
久留米大医学部では、ネズミを用いた興味深い実験を行った。
AB2匹のネズミを 1 匹ずつ小さな箱に入れ、
シッポにつけた電極から電撃ストレスを加え る 。
ネズミAの箱には小さな円盤があり、
ネズミAがそれを押し下げると電撃は止まる仕組みになって いる。
ネズミBの箱にも円盤がついているが、
こちらは押しても電流をカットできない。
そのかわりネズミAが円盤を操作し、
ネズミAの電撃が止まると一緒にネズミBのほうも
電撃ストレスがなくなるようにつくられてい る。
つまり、ネズミAは、自分でストレスをコントロールできるが、
ネズミAに依存しているネズミBのほうは、自分の力ではコントロールできない。
2匹のネズミの脳を調べてみると、ストレスの指標となる
ノルアドレナリンの分泌は、
ネズミBのほうがはるかに多いことがわかった。
自分でコントロールできない、言い換えれば、
思いどおりにならな いほど、「苦」は増幅、重症化する。
何かの状況を他人のせいにするとき、
その立場はネズミBと同じである。
他人に依存しているがゆえに、
ストレスに対するコントロール能力を失っていくことになる。
環境や境遇に支配されずに、
自分自身から環境や境遇に働きかけていくことが大切である。