雨の日の不調の原因の8割は「気圧」にあり
- 2017.05.19 | ストレスケア
雨の日に頭痛やだるさに悩まされている方はいませんか?
これには雨がもたらす低気圧が関係しています。
気圧とは簡単にいうと空気から受ける圧力です。
水に入ると水圧を感じるように、
私たちは意識をしていなくても、
日々空気の圧力、気圧(大気圧)を受けています。
この気圧の強さは、地表からの距離で決まります。
ですから、富士山山頂の気圧の方が関東平野のそれよりも低く、
平地の気圧に慣れた私たちが突然富士山頂上に上がれば、
体が対応できずに高山病を発症します。
体にかかる圧力がいつもより減るために、
血管やリンパ管が膨張してしまうのです。
血管やリンパ管が膨張すると体はちょっとした
「高山病」のような症状になります。
具体的には、
・頭痛
・だるさ
・耳鳴り
・むくみ
・血流低下などが起こりはじめるのです。
なぜ、膨張→不調になるのか?
ここで簡単に、そのメカニズムを紹介します。
いくら低気圧だといっても、
私たちは皮膚や全身の感覚でその気圧の低さを感じるわけではありません。
実は、耳の奥にある「内耳」にかかる圧力が減ることで、
私たちは低気圧を感知しています。
この「内耳」が、気圧が低いことを感じると、
脳はそれを感知して、体を「副交感神経優位」にするように働きかけます。
自律神経は、私たちの体を自然に整えてくれる役割を果たしています。
交感神経は、活動しているときに優位になるもので、
通常は朝起きたときから優位になり、
その日頑張る力を与えてくれます。
一方、夕方暗くなる頃からは、副交感神経が優位になり、
私たちを眠りにいざないます。
寝ている間に体の細胞を修復するのも、副交感神経の役割です。
つまり、副交感神経というのは、
リラックス状態にあるときに活発に働く自律神経です。
呼吸が自然と深くなり、眠くなってきます。
また、心臓の動きはゆっくりになり、
消化器官の働きが活発になるなど、
私たちが「休息」をするときの心身のモードになっていくのです。
言い換えれば、お腹いっぱいのときや、
お風呂上がりなどの「ゆったりとした幸せ」を感じるときのような状態です。
交感神経の働きすぎが指摘されてる現代人にとって、
このように副交感神経の働きが活発になる機会は貴重である反面、
エネルギッシュに活動したいとき、
一生懸命何かをしたいときには、それを妨げる要因にもなります。
また、いつもよりも疲れやすくもなるでしょう。
さらに、雨の日になると光量は、晴れた日に比べると減少します。
私たちの体は、外からの光を感知して
「活動モード」と「リラックスモード」とを切り替えています。
そのため、光が足りないと、朝、スムーズに「活動モード」に
切り替えることができません。
それで体がバチッと覚醒せず、
なんだかだるいような一日を過ごすことになってしまうのです。
このように、低気圧は、私たちの体が休息時の副交感神経モードから
活動時の交感神経モードにスムーズに切り替わるのを妨げてしまいます。
では、その日は諦めて休んでしまったほうがいいのでしょうか?
いえ、そんなことは無理ですよね。
しかも、日中、しっかり活動しておかないと、
夜になってもスムーズにリラックスモードに切り替わらなくなってしまいます。
するとさらに、どんどんと不調が募っていってしまうのです。
このような理由から、雨に伴う低気圧は、
私たちの体を「プチ高山病状態」「プチ自律神経失調症状態」に変えてしまいます。
その結果、不調が生じ、睡眠や体温、内臓の働きも乱されてしまうのです。
そうとわかれば、改善すべきは「気圧の変化による不調」ですね。
今回の「雨の日の過ごし方」はむやみに薬に頼らず
雨の日の不調を改善する具体的な方法を紹介しています。