自然性、復元力の活用
- 2017.03.23 | ストレスケア
人間の脳には、元の健康な状態に戻そうとする働きがあります。
つまり、ホメオスタシス、復元力のことです。
人間は強い力【刺激】で圧迫されても、
それに負けないで押し返す力を内在しています。
また、この押し返す時期である防衛期は、
直面している問題には対応できても、
他のことへの適応力が減退して適応の範囲が狭まる傾向があります。
さらに、あまりに強い力で圧迫され、
その刺激が長期間続くと次第に押し返す力が減退していき、
心身の健康が損なわれて病気へと移行していきます(疲弊期)。
では、この減退した復元力を回復させるには、どうすればよいでしょうか。
回復のカギを握るのは、脳中枢である脳幹部にあります。
脳中枢の再活性には生理学的リラクセーション状態を作り出すことが有効です。
元気の衰えている人に代わり、他動的に、末梢から中枢への
求心的神経経路を活用して、主に抗重力筋群に対して
法則的な操作を与えることにより、相手に訓練を要せず、
負担を与えずに短時間でストレス軽減効果をもたらすことができます。
その結果、人は行動を活性化、あるいは修正しようという意欲が現れてくるのです。
ストレスへの対応は、まず、初期段階で身体的な緊張や興奮を除くことです。
中枢神経や末梢神経の興奮を除かずしてメンタルヘルス(認知への働きかけ)の
効果は狙えません。現状の問題を突破するには、早期に、過度で無理なストレスの
緩和を実行しなければなりません。
そのためにホメオストレッチのいくつかの重要な特徴を取り上げてみます。
1. 末梢から中枢へリラクセーション信号を送り、中枢にリラクセーション反応を起こさせ、
その結果全身の「筋バランス」の回復を図ること目的とする。
2. 心理的な影響を強く受けやすいと考えられる抗重力筋群を中心に介入する。
3. 通常のストレッチと異なり、随意筋を不随意(他動)的に操作する。
4. 伸展は関節の可動制限まで運動させず、軟組織の抵抗が強まる個所を基準とする。
5. 筋や腱の強化を目的としないので、痛みや不快を感じる場合は中止する。
6. 筋組織に対して与える垂直圧の圧力は4~7キログラムの範囲で実施する。
7. ホメオストレッチの介入時間は通常で10分~15分程度である。