災害時の言葉の非常持ち出し袋
- 2016.06.9 | ストレスケア
言葉の非常持ち出し袋
東日本有朋会運営委員から次のような依頼がありました。
非日常的な出来事に合うと瞬時に緊張状態になりやすい。そんな時に 言葉の力を借りて真っ白になった頭でも冷静さを取り戻すことができたなら より良い行動ができるはず。自分自身(家族・周囲)のためだけでなくストレスケアの学習をしていない一般の方に対し有事の際の心身の対処法について伝えやすい言葉を持っていることもストレスケア・カウンセラーとして大変心強い。日頃から災害に向けて心の訓練をするためにも「言葉の非常持ち出し袋」を作って欲しい。
確かに、東日本大震災に続き、熊本震災、そして今後、日本のどこで災害が発生しても不思議ではない状況におかれている現在、このような「こころの訓練」は大切だと考えます。釈迦の言葉で次のような一説があります。「心は、捉え難く、軽々とざわめき、欲するがままにおもむく、その心をおさめることは善いことである。心をおさめたならば、安楽をもたらす(ウダーナヴァルガ・第31章1)」
まず、最初に私自身が好きな言葉を紹介します。
今日という日は、残りの人生の最初の日である。
チャールズ・ディードリッヒ
また、BTU発行の書籍「いま」には、
緊急時にも役立つ言葉が掲載されている。
1. 我々は日々の出来事を心の栄養にして生きている
2. 人生で残せることは人にしたことだけである
3. ストレスを制する人は人生を制する
4. 静寂は自分に何が不足しているか気づく力
5. うまくいかないのは繰り返しが足りないだけである
6. ゆっくり行くものは確実に進む
7. あなたが輝けばあなたを支えている人が輝く
8. いまを生きる
災害時でもイキイキ生きるための先人の言葉も役立つものが多い。
9. おのれこそ おのれのよるべ (釈迦)
10. 歩歩是道場(すべてが学びの場・禅語)
11. 両忘(対立する二元性を捨てること。生死、富貧・禅語)
12. 無可無不可 (かもなくふかもなく。はじめから決めつけない・論語)
13. 天を恨み人をとがむる所なし (吉田松陰)
14. こころ疲れて山が海が美しすぎる (山頭火)
白隠(江戸中期)は21歳の時に富士山の大噴火災害(1707年)を経験。
(その後1854年には東南海地震が発生している)
一度死ねば、もう死なぬぞや
何事も 皆打ち捨てて 死んでみよ
閻魔も鬼も ぎゃふんとするぞ
いだいている迷える思いをころして
クヨクヨした観念にとらわれず 自由自在になれ
覚悟すれば おそれるものはなくなる
生きた中は 憂きもつらきも たのしみよ
待ちやとて 死んでよかろうか
生きているからこそ、苦しみも悲しみもある
すべては生命のあやなせるわざである
なんとおもしろいことか 真に生をいとしんで有意義に人生を送れ
良寛(江戸後期)は71歳の時に三条大震災(1828年)があり、その時、友人に送った見舞いの手紙。
災難に逢う時節には災難に逢うがよく候
死ぬる時節には死ぬがよく候
是はこれ災難をのがるゝ妙法にて候
万全に備えをしても災害は突然起きる。普段の時でもこの言葉を思うと不思議に落ち着く。生も死も自分でどうにもならず、受け入れることが出来るのみ。
非常時のパニックを回避する方法
i. 息の数をゆっくり数えながら深く息をする。
ii. 息に注意し常に下腹部でする。
iii. 下腹部を自覚して短く口で3度息を吐き、鼻から大きく息を吸って口から長く吐く