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リラクセーションの効果



 バランスセラピー学では、基礎課程Ⅰ第1章の「ホメオストレッチの目的と効果」に生理学的リラクセーションとは何かについて触れています。



科学的な立場から、身体にある骨格筋を伸ばして「リラックスしなければならない」と最初に主張した人は、アメリカ人のエドモンド・ジェイコブソン(18881983)です。


彼は、ハーバード大学で実験心理学の研究を始め、大きな音に対する「驚き反射」に個人差が著しいことを見出しました。


つまり、筋肉を過剰に緊張させている人の驚き反射は早く大きく、逆に緊張の少ない人の驚き反射は遅く小さいことに気づいたのです。


その後、医学も修めた上で、過剰に緊張して様々な心身の障害を起こしている人々をどうやって緊張を除けばよいかを研究した結果、「漸進的筋弛緩法」を開発しました。


そして、彼の後継者となったのが、フランク・ヨーゼフ・マクギーガン(国際ストレス緊張コントロール会長、国際パブロフ学会長)です。



さて、ホメオストレッチは、「漸進的筋弛緩法」とは※方法が異なりますが、人間が意識的にコントロールすることができない条件反射や自律神経系(とくに交感神経)の興奮状態を安定させ正常状態に戻す目的は共通しています。


自律神経系の興奮を正常に戻すには、生理学的リラクセーション状態を作り出すことが必要であることは言うまでもありません。 

(※ホメオストレッチは訓練を要せずに短時間で生理学的リラクセーション状態を作り出すことができる)。



ホメオストレッチで実現するリラクーション状態は、修行僧のような特別な生活様式(瞑想)を必要とするものではなく、むしろ日常的で測定可能な生理機能を活性化させる方法です。



瞑想の生理学的変化を詳細に捉えたデータにワレス(1982)があります。以下は、生物学的年齢の若返りのデータでBTU基礎課程に紹介しているものです。



短期実践者(5年未満)は-5.0

長期実践者(5年以上)は-12.0

(米国の厚生省に一部を参照し、聴覚値、近点視力、収縮期血圧の指標)

興味深いことは、瞑想の効果は食事や運動と関係なく認められていることです。その後、トゥミーら(1983)により追試が行われ、瞑想被験者の横断的研究で生物学的に7.5年若いグループが1年~1年半後にさらに11.7歳若返っていることを明らかにしています。



 もうひとつの生物学的年齢に対する研究は、グレイサー(1986)によって行われました。彼は生理学的指標として信頼が高い血清中のDHEAS(ジハイドロキシ・エピアンドロステロン・サルファイト)を測定しています。この成分は年齢と共に低下し、最高値は20代中間、7080代になると80%も減少します。瞑想によって、DHEAS濃度の割合が、高年齢になるほど改善し、45歳以上の男性瞑想者では平均23%高く、45歳以上の女性瞑想者では47%高くなっています。高齢の瞑想者のDHEAS濃度は、全般的に瞑想をしていないグループより5歳から10歳若いレベルに相当しています。


また、この効果に食事、運動、肥満、飲酒量などの因子では説明できないものであったとしています。



この他の興味ある研究としては、ブールリアー(1970)は、長期間に及ぶ研究をまとめ、動物では体重当たりの代謝率が低いほど、明らかに寿命が延びることを報告しています。


また、ルブナー(1890)の理論でも代謝率と動物の寿命との関係を指摘しています。

より高い次元の自己実現とは、生理学的に表現すれば、それは、リラクセーションによるホメオスタシスの活性化であります。


人間の持つ、潜在力が最高に発揮され、心身の調和が存在している状態にほかなりません。


人間の生命の最も価値ある本質が、つまり、「極端でなく、偏らず、ありのまま」の自然性が発揮されている状態です。