家族のリスク化
- 2011.08.19 | ストレスケア
現時点で、仮に戦後モデルを維持している家族であっても、将来的にそれが維持できるかというと、その可能性は極めて低いといわざるを得ない。戦後モデルの維持は困難な状況にある。まず、戦後モデル崩壊の影響は、これから家族を形成しようとする若者世代に顕著に影響していく。
経済の低成長、成熟化は、これからたとえ正社員で収入が安定している人でも、今後は収入の増大は期待できず、リストラや勤務先の倒産という不安は拭えない。そうなれば、離婚の可能性も高くなっていく。そのような社会情勢の中で、家庭を形成して子どもを育てるのはリスクを伴う。
今は生活できていても、人は先の予測を不安に感じて行動が鈍化するのは明らかである。したがって、夫婦は子どもの数を減らし、または、生むのを先延ばしにするのではなかろうか。また、男性の収入、女性の収入の将来予測は見当が付かず、婚姻関係が不安定になる。未婚女性は、豊かな生活を保障してくれる男性に出会う確率は減少しているのである。
前後家族モデルの崩壊の中で、最大のリスクは、これに変わる新たなモデルが創出されないままで、新たなモデルが創出されていないことにある。