気づきの大切さ。人間は生かされている。
- 2011.07.7 | ストレスケア
もしこの世の中から病気がなくなったらどうでしょう?
それは大変素晴らしいことだと思います。
しかし私たちは病気をすることによって様々なことを
学んでいるのではないでしょうか。
もしこの世の中から病気がなくなったら人は悩んだり後悔したり、
対人関係で悩んだり、将来に不安があったり、
そういうものが無くなっているということにならないでしょうか。
したがって、病気は私たちの思考や生活習慣について
何らかのことを伝えているメッセージであるということも言えます。
病気の意味について単に私たちを苦しめているというように考えないで、
せっかく病気をするというとおかしな話ですけど、
せっかくそういう機会がありますので対処療法だけ、
例えば悪いところだけ取ってしまったり、痛みだけ無くなってしまえば
良いという、そんな病気に対しての捉え方、対応の仕方だけではなく、
自分が体を壊した背景にある生活習慣とか思考パターンについて
振り返る機会だと考えていきたいと思います。
「こんな腰、痛いからイヤだ。なくなればいい」
「こんな石みたいな肩は必要ない」
よくそういったことをお聞きします。
でもその痛い腰や石のように硬くなった肩は自分自身のものであります。
自分の心と身体がひとつであるとすれば、その腰だけ取ってしまう、
あるいは石のように硬くなった肩だけ取ってしまう、
そういった考えは間違っているのではないでしょうか。
心と身体をひとつに捉えて考えるときに、
そこにある痛みや不快感は自分の思考や生活習慣の無理が投影されていると
考える必要があると思います。
私は以前に対処療法を研究したことがありました。
そのときは大変すぐに楽になるということで、たくさんの方に喜んでもらいました。
ところがあるきっかけで悩みを持つようになりました。
治しても、あるいは痛みをとっても
またしばらくすると同じ状態でご相談に来られます。
それを繰り返していますと私はこんな疑問をもちました。
「私はひょっとすると痛みの背景にあるもの思考や生活習慣を改善しなければならない時期なのに、私はその時期を奪っているんじゃないだろうか」
私たちは自分自身の誤りになかなか気付くことができません。
自分は正しいと思って生活していますし、自分の思い通りにならないことを
思い通りにしたいということを常に考えております。
もし症状を思い通りにして、痛みがあれば何らかの方法で痛みを
除くという方法があればその人は、いつ思考や生活習慣を改善させる
機会を持つのでしょうか。
人間は苦悩の中でしか成長しないと言われております。
私たちは身体の調子が崩れたり、あるいは重い病気になったら大変苦しいものです。
しかしその苦しみの中に私たちの自己成長があるということを
もう一度確認しておきたいと思います。
病気についてもう一度考えてみましょう。
また具体的には病気は様々なメッセージを持っております。
例えば、不安や心配事があると胃腸の調子が悪くなります。
それは不満や不平、恐れ、そういうものが私たちの胃腸に
負担を与えているということになります。
したがって胃腸、例えば胃が痛いというものを改善するためには、
その背景にある不満や怒り、恐れこういったものを
取り扱わねばならないということになるのではないでしょうか。
最近問題になっております不眠症も同じことが言えます。
不眠の背景にあるもの、それはやはり心理的な負担です。
不満や恐れ、不眠になって睡眠薬を飲めばいいのでしょうか?
決して良くありません。その背景にある不満を取り扱ってこそ
本当に良くなっていくということではないでしょうか。
他にもいろんな例があります。
例えば腰痛は誰しも経験します。
心理学的にも腰が痛いということは、
環境に適応できていないという事が言えます。
私たちの足腰は逃げるためにあります。
したがって、その場から逃げだしたい、この環境がいやだ、
職場がいやだということになりますと、
足腰の筋肉の緊張が起きて骨を支えられなくなっていきます。
その結果関節に負担が起きて痛みを出しているのです。
そういう環境不適応の方が持っている腰痛は、
環境が変わればいっぺんに治ってしまったという事例はよく聞くことです。
私たちの心と身体はまさにつながっています。
肩こりもそうです。もともと肩、腕は戦うための筋肉です。
したがって対人関係、仕事がうまくいかない、満足することができない、
こういった心理的な背景に必ず首肩が緊張を見せ始めます。
いくらマッサージをして肩や首に治療をしてもなかなか改善しない理由は
そこにあります。
私たちの症状にはメッセージがあります。
そのメッセージに気付いて、メッセージを取り扱ってこそ
本当に私たちが再活性する方法になるということです。
コップを連想してください。コップの中に水がたくさん入っています。
その水は疲労を表わす水だと考えてください。
少しでも動かすとコップの水がこぼれてしまいます。
少しでも動かすというのは、ちょっとした刺激、ちょっとした不満、生活のこと、
そのたびに私たちは症状を出すことになります。
また症状が消えるということも、このコップの中にある水、
これは疲労を表わしたりストレスを表わしたりすることになりますが
その水がこぼれないからといって大丈夫でしょうか?
無意識の中で疲労だとかストレスは蓄積されていきます。
ある意味無自覚なものであります。
症状が無いから自分は大丈夫だというふうに考えないほうが
健康を維持するためには必要なことだと思います。
コップの水を減らすにはどうすればいいでしょう?
それはいうまでもなくリラクセーション状態を繰り返すことです。
私はよく皆さんにお伝えします。
不快感がなくなっても、不定愁訴がなくなっても
ホメオストレッチを続けてください。
なぜならばそこにある意味は、はたまっている疲労を
できるだけ少なくするためです。
痛みがなくなったからといって、あるいは不快な感覚が
無くなったからといってリラクセーションをやめるようなことは
なさらないようにしていただきたいと思います。
リラクセーションを繰り返すことによって私たちの緊張、
疲労は適切な状態に保たれていきます。