東日本災害支援センター中間報告
- 2011.06.24 | ストレスケア
BTUボランティア支援センターの活動
3月末にスタートした宮城県でのボランティア活動も3ヶ月経過しようとしております。
皆様のご参加のお蔭で、宮城県社会福祉協議会からの依頼に応え、現地で頑張ってきた
5箇所の社会福祉協議会職員の皆様へのケアを継続実施することができました。
お蔭様で現地でもBTUのストレスケアが定着し、喜んでいただいています。
今後も現地では厳しい状況が続きますが、避難所から仮設住宅への移動など現地での変化もあり、佐藤志保子仙台教室長、加藤ゆかり認定トレーナー(BSMI准研究員)はじめ、多くのボランティア参加者を得て、ストレスケア活動を行ってきたボランティア活動もそろそろ収束の時期が近づいております。
これからは、次のステップでもある、ストレスケアの人材教育を現地で実施することを進めて行きます。
厚生労働省から震災対応で頑張っている社協職員疲労実態調査業務を依頼
また、支援活動の期間中に、厚生労働省から「宮城県下の社協職員の疲労状態を調査する」という業務を依頼されました。
依頼元である厚労省疲労研究班の班長は、BTUが以前から大坂や京都の共同研究でお世話になっている関西福祉科学大学の倉恒弘彦教授です。倉恒先生は、16年前の阪神大震災の時も被災者等の疲労状態を調査された経験があり、今回も東日本大震災による被災者や関係者を対象に広範囲な疲労実態調査を厚労省疲労研究班として実施することを決意されました。
目的は、直ちに治療の必要な人や今後心身の病気発生が懸念される人の早期発見と同時に今後同様の大災害が発生したときにどう対応するかに役立つ参考情報を得ることです。
関係者には、救助者である警察官、消防、自衛隊等の隊員、医師、看護師、保健師等の医療関係者、援助者である市町村や社会福祉協議会職員等も含まれます。
BTUの社協職員に対するボランティア活動を耳にされた倉恒先生から、BTUのケア活動の中で社協職員の疲労状態とHSによる疲労解消状態を合わせて調査することを依頼されました。
調査方法は、以下のとおり。
①疲労に関する約40問の問診、
②自律神経機能を測定するシステム、
③VAS(Visual Analogue Scale。ご本人の疲労感、イライラ感、緊張感、不安感を調
査)という調査表を使用する方法(日本疲労学会認定)の3つを併用。
ホメオストレッチ実施前に一通りの調査を行い、その直後に再度②と③を行う。
自律神経機能は、交感神経と副交感神経の働きの大きさとその比率によって疲労状態を判定。最後には問診結果も含めて総合評価を倉恒先生のお名前でプリントアウトして対象者に渡し、喜ばれました。
5月中旬から約1ヶ月の間、南三陸、石巻、七ヶ浜、亘理、山元の5つの社協職員に加えてそこで活動する一般ボランティアや一部の被災者、合計81名の方を対象に調査を行いました。PCシステムの結果はまだ解析に時間がかかりますが、VASによる疲労感等については、大体の結果がまとまっています。後日、他の結果と合わせて報告書が作成されますが、とりあえず、疲労感について次の2点のみご報告します。
中間調査結果
1.疲労の大きさ
VASは最大の疲労感を“100”とし、全く疲労を感じない場合を“0”として、
その間のどの程度の疲労を今感じているかと聞き、その結果で
“20”以上の人を疲労感のある人、なかでも“50”以上の人をかなりひどい疲労感と
みなします。
社協職員は、4人の内、3人以上が“50”以上の疲労感と答え、
中は、ご家族や家を失いながらも殆んど休まず活動を続けている方もいるので、この結果も当然と思われる。 社協職員以外の人たちも、59.1%の人が“50”以上の疲労感を示しており、
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いかに震災のショックが大きく関係者に響いているかを示しています。
2.ホメオストレッチ後の疲労感の改善効果
職員の疲労感は、HS前の“59.2”から“39.5”、 職員以外の人の疲労感も、“50.6”から“28.5”へと大幅に改善されている。 |
たった1回のホメオストレッチでこれだけ改善したのだから、継続的に受けていただければもっと大きな改善が期待できます。
事実、それ以後の週1回のホメオストレッチの日には、リラクセーションを期待して
繰り返し受ける方が増えており、今では宮城県でBTUの名前がかなり浸透してきたようです。
調査にご協力いただいたボランティアの皆様、本当にありがとうございました。
BTUボランティア支援センター
BSMI東京所長 北 博之