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お知らせ

いまさら聞けないストレスの話し(2)

さて、いまさら聞けないストレスの話です。


セリエのストレス学説は、生体の内分泌現象を中心に
展開されています。
内分泌とは、体内の細胞が科学物質を血液中に放出することで、
いろいろな器官の活動をコントロールする役割を持ちます。

この科学物質をホルモンといいます。


特に、セリエのストレス学説で重要な器官は、副腎皮質と副腎髄質です。


有害なストレス反応はどのような経過で進むのでしょうか。

まず、ストレスを受けると生体は3つの反応を引き起こします。

1・副腎皮質の肥大

2・リンパ組織の委縮(胸腺など)

3・胃腸の内壁の出血、腫瘍

これらをセリエは非特異的反応と呼びました。セリエは研究の中でラットを

いろいろな方法(例えば異物を体内に注入、水攻め、過労)でいじめています。

その結果、体内の組織にはいつも同じ変化(非特異的)が

現れることを発見したのです。


非特異的とは、原因が異なっても同じように現れる症状のことで、

これを不定愁訴という場合もあります。

このような現象を引き起こす理由は、物理的ストレス(主に外傷やウィルス、病原菌)

によって脳下垂体→副腎皮質刺激ホルモン→副腎皮質→コルチコイド

→細胞の内分泌系の経路と

主に精神的な悩みや不安、葛藤などが原因で、自律神経系に影響を与えて

自律神経→副腎髄質→アドレナリン→細胞の自律神経系の経路により

引き起こされていきます。(自律神経系はセリエ以降の研究)


このように、生体は物理的、精神的ストレスに耐えて跳ね返そうとするのです。

この時期を防衛期(抵抗期)と呼びます。


しかし、この抵抗は長くは続かず、やがて疲弊期に入ります。

また、防衛期は向き合っているものには適応しようとしていますが、

それ以外の適応力は減退していき、結果的に適応の範囲が狭くなるのです。

無理なストレスは、それを跳ね返そうとして生体の抵抗力を引き出しますが、

これは見せかけの適応で、加え続けられるストレスに懸命に

耐えている状態なのです。その結果として生体の消耗が激しくなり、

極度に疲労していくことになります。


動物のストレスは外敵から逃れれば短時間で決着がつくのですが、

人間社会のストレスは、そう簡単にはいかず、深刻極まりない問題です。

特に現代社会の中で大きなリスクを持っているのは、

自律神経系への影響です。