ストレスと病気
- 2011.03.7 | ストレスケア
今日は7日。
BTUの日めくりの言葉です。
満足する心(言葉)
今日も一日無事に過ごせた
ほんの小さな日常に感謝する
毎日の良かったことを感じる。
福岡本校の教室長研修の日です。
1) ストレスと病気との関連について。
ストレスと病気の関連を心理面、社会面も含めて総合的、統合的にみて全人的医療として考察する。
まず、刺激を受ければ、生体はこれらに適応しようと働き、生体はストレス反応を引き起こす。
しかし、人間関係、仕事、不安感などの現代社会の特徴的とも言える過度なストレッサーや持続的なストレッサー(入力)は、しだいに、個人の持つ適応力の限界を疲弊させ、内部環境を調節する自律神経系、内分泌ホルモン系、免疫系、筋骨格系にストレス反応(出力)としてトラブルを引き起こすようになる。
内部環境の疲労は、ヒト病気の多くの直接的、間接的起因になっている。つまり、生体のホメオスターシスが破綻し、心を含む身体全体が不調に陥る。
このようなストレスからくる病気は、医療モデルとして、生物的因子に働きかけていく方法と、成長(学習)モデルとして、自己生成因子に働きかける方法が考えられる。また、ストレスが性格要因や環境要因の両面の関与を考えると、ストレスが起因する病気には全人的なアプローチをしていかなければならない。
また、ストレスの評価、診断も簡単ではない。それは、心理社会的な問題や個人差があるからである。これまでにも、ホームスの社会適応スケールが用いられることがあるが、外部から見た評価と本人のストレスの相関は必ずしも一致しないケースがある。
生理学的なストレス検査では、心電図、瞳孔反応、心拍出量、精神性発汗、カテコールアミンなどの指標、最近の研究では、唾液中のタンパク、クロモグラニンAを検出する方法がみられる。
しかし、これらは、客観性はあるものの、あくまで本人がストレスを意識あるいは、自覚した状態でなければ、検査そのものを受ける動機が希薄であり、ストレスを持ちながら生きられることを考えると、殆ど無自覚な状態を含めて、ストレスを黙認、回避している中で、ストレスを計測する機会を持てる人は稀である。
このようなことから、ストレスと病気の関連性をより知るためには、以下のような課題があると考える。
① 無理なストレス状態の多くは無自覚(または、無理解)であり、それが相互関連の理解や自覚の壁になっている。
② したがって、ストレスを科学的に計測することが不可欠である。
③ そのためには、科学的知見に基づいた簡便なストレス評価法の標準化が必要。
④ さらにストレスを精神論で片付けない。
ハンスセリエ以来、これまではストレスを知る時代であったと思う、これから50年は、ストレスをコントロールする時代ではないかと考える。