少年院入院者へ カウンセリング
少年院で20歳を迎えた青年は、性非行で2度の入院をしている。
すこぶる自己評価は低く、他者に対する否定的態度も強い。
面談は青年の「多分、また、やってしまうかも」という言葉で始まった。
相手を試しているのか、あるいは、相手とは本音で話そうとしないつもりか、
いずれにしても、自分を否定している人間は、他者の言葉を
信じようとはしない。
彼が求めているのは、「矯正」ではなく、「自分を分かって欲しい」という
「承認」である。
彼に限ったことではないが、人間は自分の価値観で物語を作り、
自分が見たいものを見ている。
問題は、それが「被害者意識」によるものであることだ。
中学時代の執拗なイジメ、家庭の中での孤立感など少年の住む世界の
警戒感や不安感は相当に強いものであったが、バランスセラピー理論を
丁寧にひも解き、根気よくそれを緩めて行った。
そして、最初の面接から6ヵ月後に青年の言葉に変化が表れた。
「もう二度と人に迷惑をかけるようなことはしません」。
私は、その言葉に青年の更生への強い意志を感じることができた。
非行状況の特徴
窃盗 | 障害・暴行 | 性非行 | |
平成26年度 | 50% | 18% | 9% |
平成27年度 | 47% | 18% | 6% |
平成28年度 | 38% | 11% | 14% |
(面接委員資料2017・福岡)
家庭環境
実母 | 実父母 | 実父 | |
平成26年度 | 45% | 27% | 11% |
平成27年度 | 55% | 21% | 11% |
平成28年度 | 36% | 36% | 10%.継父・実母 |
(面接委員資料2017・福岡)
少年を取り巻く環境
☑ 特質にSNSの普及がある
(ソーシャル・ネットワーク・サービス)
☑ 保護者を含めて大人との接触が少ない