人間という樹木
- 2012.10.15 | ストレスケア
心と体の密接な関係が明らかになり、病気の多くが、ストレスを危険要素としていることがわかってきました。
予防医学の面でも、ストレス解消の必要性が強調されています。
人間の脳は1本の樹にたとえることができます。
枝や幹を包んでいる緑の葉は、人の脳では大脳新皮質にあたります。
前頭葉、側頭葉、後頭葉という名前も、そこに由来しています。
たくましく広がった枝は大脳辺縁系です。
この枝は生命の中核である脳幹という太い幹に支えられています。
脳幹は脊髄と言われる根になり、その根からは、神経という根幹が無
数に枝分かれして体中に張りめぐらされています。
神経に直に結ばれている筋肉が、心の状態、つまり脳の状態を反映するのはこのためです。
脳が緊張すると、脊髄から神経を通じて、その緊張はすぐに筋肉に伝えられます。
その脳に慢性的な緊張があるから、基礎張力が高くなり、筋バランスが崩れるのです。
ところで、樹木が健全に成長するには、太陽の光と土壌の2つが必要です。
緑の葉は太陽の光を受けて炭酸同化作用を行ない、根は大地から栄養を吸収しています。
上からの光と下からの栄養がそろわないと食物は枯れてしまいます。
人間の脳も同じで脳の健全さも、大脳新皮質(心)をケアするだけでは保てません。
生命のゆらぎを回復するには、「生存するための脳」=脳幹という根を元気にする必要があります。