広がって欲しい ストレスケア技術
- 2012.08.2 | ストレスケア
わが国では超がつく少子高齢化が進行する中で、現在、多くの自治体では、家庭にいる寝たきり老人のために、訪問看護サービスを実施しています。
しかし、その現場では、単に入浴させる、床ずれやその他の身体的な疾患の手当、食事の世話といったことだけでは済まないことが分かります。
寝たきりの老人を抱えている家族は、その看護でくたくたに疲れています。疲れてくると自分の境遇に対する不平や不満がつのります。
年老いた老人に対してだけではなく、家族の成員の間にも険悪な雰囲気が現れてきます。
これは、老人看護に限らず、家族の成員の誰かが、病気で入院、あるいは、不登校、出社困難、引きこもりなどの不適応を起こしても同じことが起きます。
そんなときに、家族の不平や不満、怒りや辛い感情をじっと聴いてあげると、そうした不平不満は潮が引くように消えていき、家族の運命を引き受けようという気持ちになることが少なくありません。
そこにストレスケアの技術があれば、家族の人たちは、心身ともに看護の疲れから回復することができ、再び年老いた親に対する愛情を回復することが可能になるのです。