瞑想の生理学
- 2012.07.14 | ストレスケア
ホメオストレッチで実現する瞑想状態は、修行僧のような特別な生活様式を必要とするものではなく、むしろ日常的で測定可能な生理機能を活性化させる方法です。
さて、瞑想の生理学的変化を詳細に捉えたデータにワレス(1982)があります。以下は、生物学的年齢の若返りのデータでBTU基礎課程に紹介しているものです。
短期実践者(5年未満)は-5.0歳
長期実践者(5年以上)は-12.0歳
(米国の厚生省に一部を参照し、聴覚値、近点視力、収縮期血圧を指標にしている)
興味深いことは、瞑想の効果は食事や運動と関係なく認められていることです。その後、トゥミーら(1983)により追試が行われ、瞑想被験者の横断的研究で生物学的に7.5年若いグループが1年~1年半後にさらに1~1.7歳若返っていることを明らかにしています。
もうひとつの生物学的年齢に対する研究は、グレイサー(1986)によって行われました。彼は生理学的指標として信頼が高い血清中のDHEAS(ジハイドロキシ・エピアンドロステロン・サルファイト)を測定しています。
この成分は年齢と共に低下し、最高値は20代中間、70~80代になると80%も減少します。瞑想によって、DHEAS濃度の割合が、高年齢になるほど改善し、45歳以上の男性瞑想者では平均23%高く、45歳以上の女性瞑想者では47%高くなっています。
高齢の瞑想者のDHEAS濃度は、全般的に瞑想をしていないグループより5歳から10歳若いレベルに相当しています。また、この効果に食事、運動、肥満、飲酒量などの因子では説明できないものであったとしています。
この他の興味ある研究としては、ブールリアー(1970)は、長期間に及ぶ研究をまとめ、動物では体重当たりの代謝率が低いほど、明らかに寿命が延びることを報告している。また、ルブナー(1890)の理論でも代謝率と動物の寿命との関係を指摘しています。