ストレスはいつ危険なものになるのか
- 2012.06.2 | ストレスケア
無理なストレスがあると人間関係など生活の中で、様々な問題が発生していきます。
皆さんも、そういった経験はありませんか。
セリエのストレス学説によれば、ストレスの「防衛期」には、人間の適応力が減少するということが述べられています。
ストレスは心の葛藤ではなく、その葛藤のために起きる身体内部のアンバランスな状態を意味します。アンバランスとは、自律神経や内分泌ホルモン、免疫、筋肉の問題です。
私たちは、何かに向き合う時に、緊張することを強いられます。これは、仕事が忙しい、上司との面談、ミスが出来ない、実力を出さねばならないなどある意味、必然的な反応です。
ここでいう「緊張」とは、自律神経系の興奮と考えてください。しかし、このような普段とは異なる緊張は、長時間持続させることは不可能です。
強い緊張や長時間の緊張を放置していると、次第に、自律神経系が疲弊して集中力や持続力が減退していきます。
また、脳の核領域である脳幹部も疲労して、不快なことがコントロールできなくなっていきます。
この状態になった時、向き合っている事柄には何とか対応できていますが、それ以外の事柄にミスが出て、失敗しやすくなるのです。例えば、次のような体験をするようになります。
① 仕事は出来るが、家では不機嫌になる。
② 人に会いたくない。
③ 電話が鳴るとドキドキする。
④ 今まで好きだったことにも興味が薄くなる。
⑤ 肩や腰が痛い。
⑥ 疲れているのに眠れない。
⑦ ケガや車の事故に合う。
⑧ 体調や気分が優れない。
⑨ 自分はダメな人間だと考えてしまう。
⑩ 過去の失敗が気になってイキイキできなくなる。
例をあげれば切りがありません。
これらをセリエは非特異的反応と呼びました。
無理なストレスは、それを跳ね返そうとして生体の抵抗力を引き出しますが、これは見せかけの適応で、加え続けられるストレスに懸命に耐えている状態なのです。
その結果として生体の消耗が激しくなり、極度に疲労していくことになります。
動物のストレスは外敵から逃げられれば短時間で決着がつくのですが、人間社会のストレスは、そう簡単にはいかず、深刻極まりない問題です。特に現代社会の中で大きなリスクを持っているのは、自律神経系への影響です。