ストレスとは起きた事態をさすのではなく・・・
- 2012.01.29 | ストレスケア
認知療法の基礎は、「人の気分というものは、
現実の物事や状況によるのではなく、
その人の物事のとらえ方によって左右される」という事実から出発します。
エピクテートスというローマ時代の哲学者の言葉が、
この事情をよく語っています。
「人を悩ませるのは、事柄そのものではなくて、事柄に関する考えである。」
(エピクテートス「提要」)
つまり、人の気分というものは、客観的な事情によるというよりは、
むしろ多くの場合、自分の主観的な考えや感じ方によるのだ、ということです。
例えば、同じような困難な状況に陥っても、ある人は前向きに切り開いていき、
また別の人は後悔をしたりして前に進むことができない、と言うようなことです。
逆に考えると、人の気分は、
その人の考え方や感じ方によって変わるということになります。
また、このことは、ストレスに弱く、
すぐに落ち込むような考え方・感じ方と、
ストレスに強い考え方・感じ方というものがあるといえます。
ストレスに強い考え方とは、我々に起こる一切のことは、
我々にとって必要なことだという認識で受け止めることです。
例えば、石につまずいたときに、
「誰がこんなところに石を置いたんだ」と憤慨するのではなくて、
「石君ありがとう。君はこの先にある危険を教えてくれたんだね。」と
考えて注意することです。
また、「人から好かれるべきである」と固定的に考えるのではなくて、
「人から好かれるに越したことはない」とゆるやかに考えたほうが
ストレスになりません。