バランスセラピー学
- 2011.08.26 | ストレスケア
バランスセラピー学
私たちは、自分が置かれている状況を絶えず主観的に判断し続けています。しかし、強いストレスを受けるなどの状況下ではその判断に不自然な状態が生じ、閉そく感や疎外感を伴う非適応的を示すようになってきます。その結果、抑うつ感や不安感が強まり、非適応的な行動が引き起こされ、さらに考え方や受け止め方の歪みが強くなるという悪循環が生じることになります。
バランスセラピー学は、無理なストレスや疲労によって、人間の気分や行動が認知のあり方(ものの考え方や受け取り方)の影響を受けることから、疲労やストレスの改善を行うとともに、認知の偏りを修正し、本来の自然な自己を回復させることを目的とした体系化された自己成長モデルです。家庭や日常のストレス対応、企業や教育の現場、医療など適応の範囲は広がりをみせています。
認知と行動変容
認知行動理論は、考え方や受け止め方の偏りが問題行動を生み出すというモデルに基づく認知と、環境と個人要因の相互作用の中で問題行動が繰り返されるというモデルに基づく行動の両面を対象として展開しています。しかし、両者はそれぞれ問題発生の原因が異なり、環境と個人要因との統合が困難になる傾向があります。そのため、認知の修正よりも優先して、生理学的なリラクセーション状態の行動への影響力に注目し、そこに自己成長モデルによって介入することで、環境要因と個人要因の統合を可能にすることを目的にしているのがバランスセラピー学です。
バランスセラピー学の要素
1. リラクセーション技法(ホメオストレッチ群)
2. アセスメント法(アローバランスグラフ)
3. ストレス理論(認知と行動理論を含む)
4. 面談法(信頼関係の構築)
バランスセラピー学の実践
無理な疲労やストレス状態になった場合、本来の自然なかたちでの適応力が低下していきます。したがって、導入期として生理学的なリラクセーション状態を作り出します。その結果、本来だれもが持っている自然な適応力の回復が可能となり、新たな認知への取り組み(自分に不足している能力の獲得)も効果的に働いていきます。
バランスセラピー学の実践は、通常、下記の手順で進めていきます。
1. アセスメントとリラクセーション
2. ストレッサーへの気づき
3. 原因についてアプローチする
4. セルフケア、ファミリーケア、ストレスケアを目指す(自己成長モデル)