家族の現状

さて、わが国の現状は「超」の付く少子高齢化や円高、

国の財政難、デフレ経済・・・。


このため、生活の豊かさを目指すために教育費に多額の投資を行い、

自己防衛として、医療や老後のために少しでも蓄えようと

金銭欲が高くなっていきます。日本は、一番大切なものが、

「健康、家族、お金、仕事・・・」となっていますが

(国民性比較7カ国 1998)、一番大切と思う上位6位以内に

お金を上げる国は先進国の中では存在していません。

つまり、日本は不安定な社会となっているのです。


現代の家族が抱える諸問題は、ストレス過多な社会を背景に、

ますます複雑化する傾向にあります。

また、これらは、個人の自己実現を阻むばかりか、

家族や社会の大きなリスクとなっています。


社会環境などが急速に変化していく中で、

家族はこれまでにない問題に対応しなければならず、

現状の家族に対する社会制度に頼るだけでは、

社会情勢に大きく左右されてしまい、

急激に変化する社会が生み出す新たな問題に対応できなくなってきています。




戦後家族モデルの形成と崩壊

 戦後、日本に新しい家族モデルが誕生しました。

それは、「夫は仕事、妻は家事、子育てを行って、

豊かな家族生活をめざす」というモデルです。


このモデルには2つの重要なキーワードがあります。

一つは、成長性をモデルに組み込んでいることと、

もう一つは、家族が生きがいであるという意識です。


 戦前の家族モデルは、家業の継続を軸に家族生活の維持を

目的にしていました。一方、戦後形成された家族モデル(核家族)の本質は、

その成長性にあるといえます。家族をめぐる社会制度、

家族への期待、家族についての意識などは、

すべて成長性を前提とし、成長性を可能にする方向で形成されています。


つまり、戦後の家族制度の基本は、成長することが基本であるが故に、

成長性が失われれば、戦後家族の標準モデルの存在は

危うくなることも必然的なのです。


家族は人格形成の工場でもあります。

人間の人格は「生まれる」ものではなく、

「つくられ」なければなりません。



 生涯教育は、自分自身を人生の高みに到らせるという

自己実現的な動機づけが必要であり、

積極的に生きることを選択できた人にとって意味あるものです。


したがって、大人が自分の人生への展望を喪失させれば、

人生の意味を失うと同時に、自己教育への意味も失うことになります。

生涯教育の発展には、大人自身の人生の時間的展望を明確に、

かつ、幸福なものにしなければなりません。


新しい家族の創造

ラングランによると、大人と子どもの教育上の違いは、

外からの強制であるとしています。

つまり、子どもの教育は外発的であり、大人は内発的であるという意味です。


大人は子どもと違い、教育の目標も教育内容も自分自身で

教育しなければなりません。

生涯教育は、自分自身で「教育」の意味を自覚しなければ始まりません。

いつでも始められるし、いつでもやめられる、

また、全くしないという選択もあり得ます。


この点に、生涯教育の発展に対する越えなければならない壁があります。

そういう意味では、早くから義務教育の現場で、

生涯教育の普及に努めることに合わせて、

家庭の中で、親自身が生涯教育に取り組む必要が是非ともあります。


子どもに対する教育に最も効果的なアプローチは、

大人から変化することであることはいうまでもありません。


ストレス学のエッセンス@美野田啓二   バランスセラピー学のすすめ


有朋会より。