基礎課程・全体の学習のねらい


まず、学習のねらいを説明する前提に、

バランスセラピー学の4段階を確認しておく必要があります。

この4段階のプロセスが学生の指針であるからです。


 第一段階:体験する段階。援助を受ける時期。

 第二段階:自覚の段階。原因への気づき。

 第三段階:行動の段階。生活態度を改善する

 第四段階:習得の段階。生活技術の熟達を目指す。


基礎課程の目的は今の自分を否定して、

本当の自分を探し出すことが目的ではありません。

本来の自分とは、かけがいのない自分であるからです。


思い通りにならないのは何故か、なぜ、満足できないのか、

自分との関わり方、自分と他者、自分と自然の関わり方を、

今一度、見つめなおすことによって、自分のどこに満足できないのか、

その原因は何か、どうすれば原因を除くことができるのかを自問することになります。

本当の自分を発見するのではなく、今の自分ではない自分に、

自分自身を変容させていくことが基礎課程の目的です。



また、生活の中での理想と現実のはざ間に、

折り合いを付けていくことをしなければ、

様々な自己不一致をもたらしてしまいます。

いわば、自分がイキイキ生きることを阻害している

外部要因(環境・人間社会や競争社会)と内部要因

(幼児期の経験と本能的欲求)が絡まりあっているのです。


現実的な敵のいない時代に、最も厄介なこれらの要因をコントロールする

「内なる管理体制」を整えていくことが是非とも必要です。

言うまでもなく、「内なる管理体制」とは、

リラクセーションによってもたらされる自分自身のことです。



精神分析的心理学は、人間は過去によって規定され、

無意識の欲求につき動かされていると考え、行動主義的心理学は、

人間は環境からの条件づけによって規定され、

外からの刺激に反応するシステムであると捉え、支配されたものと考えていました。


バランスセラピー学は、人間を支配されるだけの存在としてではなく、

各人が目的と価値を持ち、自己決定の能力を持つ主体的な存在と捉えています。



バランスセラピー学はこれまでの心理学がどちらかと言えば、

病者の治療と言う側面を持っているのに対して、

健康な人間がより創造的に成長していく側面を強調しているのです。



 人間は本来、自己実現を目指して成長していく存在であること。

しかし、その成長過程において、何らかの要因で阻害されることがあり、

その阻害要因に対して、自覚し、改善し、行動し、阻害要因を改善させる

スキルを習得すれば、人間はもともと存在する自己成長の創造力を


回復していくものであるのです。


何百冊と自己改革の本や心理学の本を読んでも変わらないのはなぜか?


いわゆる自分を分析したり、あるタイプに分けたりすること自体に貧しさがあります。

自分自身をタイプとしてしか見れないから、さらに自分がわからなくなるのです。

これらは、それなりに効能はあるでしょう。


しかし、その効能は理解することであり、行動させることが目的ではないのです。

問題は、分析ではなく「自分自身と出会う」ことです。


自分自身が気付きをしなければ、単なる「知」の領域にとどまっているのであり、

人間の存在は「知・情・意」の全体であるのですから、

頭で分かっていても「できる」ことにはならないのです。