ホメオスターシスへの信頼

現代人は、自然の働きに身をまかせることが苦手です。何か問題が起こると、解決のために借りものの知識に頼り、何かをしないではおれません。しかし、「何もしないという解決法」も、立派な方法であり、ある場合には、最も優れた方法でもあるということを知らなければなりません。


それは、自分の内部のホメオスターシスを信頼し、それを高めていくことで、問題の中で生きていく、進化していくということなのです。つまり、「ありのまま」です。

自分自身の自然力に対する信頼感を高めるためにも、「ホメオスターシス」を知り、実践していくことが大切です。一定不変な知識を頼りにするより、常に変化している自分や環境に適応する力、ホメオスターシスを信頼すべきです。



心の健康の尺度

心が健康であるというのは、ある一つの感情から、別のある感情に、素早く移れるということです。子供を見ていると、今泣いたと思ったら、もう笑っているというように、自然に、感情が動いていきます。心が健康である姿なのです。


ところが、大人になると、心がとても疲れていて、そのことでホメオスターシスが低下しています。結果的に、なかなか感情が自然に移り変わっていきません。時には、ずっと怒っていて、その怒りが何ヶ月も治まらなかったり、何年も落ち込んだままだったりするのです。



感情のホメオスターシス

私たちの生理機能は、たとえば、早く走ると心臓が高鳴り、息も速くなり、血液を筋肉に多量に供給し、休むと呼吸数や心拍数が下がってくるというふうに、ホメオスターシスの力によって、コントロールされていますが、感情も同じなのです。


外からの刺激に対して瞬時に反応して、私たちの中に様々な感情が生まれます。そして、その外部からの刺激は常に変化していますので、私たちの感情もそれに伴って、刻々と変化していくのが自然の働きなのです。


しかし、今にない「過去」に対して感情が反応して、現在の刺激に、新たな感受性を持って反応できずにいるのは、まさしくホメオスターシスの低下です。ある意味、過去の疲労によって、私たちの心と身体は病んでいるのです。



恒常性維持機能

ホメオスターシスは恒常性維持機能のことです。「恒常性」という文字を分解すると、「心が常に明るい」となります。心が明るい人は、ホメオスターシスの活性化が常に起こります。


しかし、明るく生きようというのは、けっこう難しいことで、心の成長や熟達をさせる技術が必要です。日ごろから訓練して、しっかりと人生に根付いておかないと、強い風が吹いたら折れたり、倒れてしまいます。



ストレス学のエッセンス@美野田啓二   バランスセラピー学のすすめ

ホメオスターシス

恒常性。生体は常に内部環境内、内部環境相互間、内部環境と外部環境間での相互作用系の中にあって、その生存を維持しています。


そのような内的又は外的な諸変化の中にあっても、その相互作用を維持しつつ、かつ安定な範囲内にその性質を保つ事が要求されています。


ホメオスターシスは、この要求を自立的に満たす性質で、血圧、浸透圧、体温などの生理的性質、形態的、機能的なものまで、あらゆるものがその対象です。


1932W.B.キャノンによって提唱されました。ホメオスターシスは、相互作用の中にあって、至適な範囲を「事前に想定」している、という点で大変興味深いです。その部分にアイデンティティーを見い出す事が出来ます。そのセットポイントは、諸条件との相互作用において移動(例えば体温)します。