第18回日本産業ストレス学会発表

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
    IT企業におけるメンタルヘルス障害発病予防策の成功例

    (新規発病者ゼロによる休職率の大幅改善達成)

                        BTUストレスマネジメント研究所(BSMI)

                             東京研究所 所長 北 博之■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
2011年1月21日・22日に神戸で開催された日本産業ストレス学会において、昨年に引き続き2年連続で、BSMIより事例発表が行われました。昨年の久留米研究所永瀬所長による「看護師を対象としたリラクセーション法(ホメオストレッチ)の効果」に関する研究発表に続き、今年は、東京研究所の北所長より、「大手IT企業におけるメンタルヘルス障害発病予防に成功」した実例を紹介しました。
補助席を追加してなお立ち見が出る状況でした。多くの方が関心をお持ちのようです。

【問題の概要】

事例の対象であるA社は、5000名以上の従業員が働く大手IT企業で、従業員の多くがシステムエンジニア(SE)という特徴があります。
一般的に、IT企業のSEは、長時間残業や休日勤務など労働時間が長く、また仕事の性格上様々な種類の身体的・精神的ストレス要因を沢山抱えているため、メンタルヘルス障害による心身の不調を訴える方が増えています。
A社も3年前には100名以上の方が休職しておられました。
しかし、A社はそれまでも大変真面目に問題に対処し、厚生労働省の指針に従って2次予防(早期発見・早期治療)、3次予防対策(治療後の再発防止)
殆んど全てにおいて取組んでいましたが、休職率の上昇が止まらず有効な改善策を求めて当社に相談されたのが始まりです。

【BSMIの対応】

ご相談を受けた時点でA社の取り組みには、1次予防(病気にならないための予防法)に有効策がなかったことが一因と見て、IT企業に特に多い長時間残業者の1次予防に集中的に対応することとしました。
具体的には、「慢性的な脳疲労に対する疲労解消プログラム」を提案させていただきました。主な内容は下記のとおりです。
①健康管理室および産業医の先生とご相談して対象者を選別し、
②当社の脳疲労解消法であるケア(ホメオストレッチ)を業務命令により強制的に受けていただく。
③ケア回数は、長時間残業した直後の1ヶ月に8~9回
④ ケアの開始前と最終回に効果測定を行ない検証する。

実質的には、1ヶ月間の導入テストを実施し、産業医による効果検証を経て2008年4月より実施しました。

 対象者は、厚労省の「過重労働による健康障害防止策」に則り、前月以前の平均残業時間80時間以上で、産業医の問診で発病予備群として対応が必要と認める。
 注(既に発病とみなされた場合は、当然専門医に紹介されます。)産業医の所見の大きな要素となるのは、「バーンアウトスコア」で、長時間残業者の健康診断票中の21項目の質問からなり、各々の回答の選択肢が7段階ある中で、平均点が4点以上を精神的に不安定な状態に陥っている可能性があるとみなす仕組み。
 ケアの内容は、週に2~3回業務中に社内の健康管理室に出向き、30分間のホメオストレッチ(筋肉から脳幹部に働きかける完全な受動型のケア)を受けるだけ。
 最初は業務中のケアを仕事の障害になるといっていた方も次第にケアを受けることを喜ぶようになり効果を実感していただいた。
 
【プログラムの実施効果】

① A社から開示された最初の27名分のデータでは、23名(82.5%)のバーンアウトスコアが改善し、うつ尺度を表すSDSは15名(55.6%)が改善している。
②  2010年9月までの2年半の間に114名の方がこのケアを受けているが、未だその中から新たな発病者がでていない。
③ 2年半前には2%を超えていた休職率が、1%にまで改善。

【まとめ】

一旦発病してからではいくら発見が早くても復帰には時間がかかり、企業も当人も負担が大き過ぎる。
2次・3次予防策も大切だが、発病前にその可能性のある人を産業医が効率的に選び、長時間残業により累積した脳疲労を具体的なケア方法により速やかに解消軽減したことが、発病予防に役立っているものと考える。

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

学会発表関係資料ご希望の方は、下記までご連絡下さい。
BTUストレスマネジメント研究所 東京研究所
☎03-5446-5681 または 03-3456-0430、 メールkita-smi@btu.co.jp

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★