精神性は生涯にわたって発達するという人間の尊厳は、
いったい何に奪われてしまったのだろうか。

2016年版『犯罪白書』によれば、
20年前と比べて高齢者の「暴行」は49倍に増加している。
私鉄やJRなど計33社局が2016年に発表した、
鉄道係員に対する暴力行為についての集計によれば、
駅係員や乗務員などに暴力行為を働いた中で、
もっとも多いのが60代以上で、23.8%に達している。

2013年に私立大学病院医療安全推進連絡会議が
発表した院内暴力の調査でも、
同様の結果が明らかになっている。
私大病院の職員(医師、看護婦等)、

約2万9000人に患者やその家族、
見舞客などから「暴言」「暴力」「セクハラ」を

受けた経験があるかと調査したところ

暴言については41.5%、セクハラは14.1%、

暴力は14.8%の職員が「はい」と回答している。

いずれの項目でも加害側は50代、60代、70代が多く、
暴力に限れば70代が24.2%ともっとも多かった。
こうした変調の原因は、過度なストレスや老化に

伴う脳の機能の低下が考えられる。
急激な社会的変化、環境変化に伴う心理的な要因も看過できない。

一方、国は新指導要領で(32、33年度)
小中学校の体育などで「不安や悩み」
「ストレス」への対処法を学ぶことが新たに明記された。
今後、深呼吸して気持ちを落ち着かせる「呼吸法」や、
体をリラックスさせる方法などが指導要領の

解説書に盛り込まれる見通しである。
これから3~4年後のことであるが、単なる問題解決型の
マニュアル的な指導でないことを望む。
そうでなければ、彼らが老人になったときに、
今と同じ結果を引き起こしてしまうだろう。

 

興味ある方は養護教諭が書いた

「子どものストレスケアメソッド」を参考にしてください。