私たちはどうしても、「ストレス=悪いもの」と考えられがちです。しかし、人はある程度のストレスがなければ生きてはいけません。問題なのは、あくまでも度を超した「無理なストレス」です。



なぜ、ストレス(=体内環境の変化)がなければ生きていけないのでしょう。それは、本来ストレスは、動物が持つ本能的な反応だからです。



大草原を頭に思い浮かべてください。シマウマの群れがのんびりと草を食んでいます。そこに野生の王者、ライオンが近づいてきました。


気付いたシマウマたちは、一瞬、草を食むのを止めて動きを止めるかもしれませんが、次の瞬間、すぐに猛ダッシュで逃げ出します。



瞬時に、逃げ出せるのは、カラダの中で、緊急事態に対応するための準備が整ったからです。


では、体内でどのようなことが起きているのでしょう。


ライオンに気づいたシマウマのカラダは、一瞬で緊張状態となり、心臓はドキドキと高鳴り、血圧や血糖値が一気に上昇します。


敵に対して、「戦う」か「逃げる」か、の準備をしているためです。生存競争の中で生きるあらゆる動物は、敵を前にしたとき、絶えずこの二つの選択肢の前に立たされます。


いずれを選ぶにしても体内では同じ変化が起こります。カラダがすぐに動けるような状態、すなわち、「筋肉がすぐに使える状態」にするのです。



それには筋肉に大量の血液を送る必要があります。血液の中には筋肉を動かす栄養素や酸素が入っているからです。


だから、ライオンとの遭遇という緊急事態に、心拍数や血圧や血糖値(血液中のブドウ糖の量。ブドウ糖=運動時のエネルギー源になる)が上がったのです。