例えば、対象者が不眠の悩みを持っているとします。


対処的に治療的にアプローチして眠れるようになれば、


それで解決です。


しかし、それでは、「なぜ眠れなくなったのか」


「なぜ眠れないことが続いているのか」という根本的な原因に


触れることはなく、対象者は、一時的に眠れるようになったとしても、


原因が改善させない限りは、同じことを繰り返していきます。


 そのため、ストレスケア・カウンセラーは、


対象の「眠れない」という結果より、「なぜ眠れなくなったのか」


という事柄、つまりプロセスに関心を持ちます。


そして、カウンセラーとの面談の中で、


その原因に対象者自身が気づき、


原因への働きかけを自覚したときに対象者は相談者となり得ます。


つまり、行動変容への働きかけが可能になるのです。



 あるいは、腰痛(特に疾患のない)のケースを取り上げてみます。


皆さんは、腰痛は腰の骨にズレがあるとか骨盤の歪みだと


考えているのではないでしょうか。


確かに、結果的には、そのような現象が見られるのかもしれません。


しかし、それは、あくまで結果であって、原因ではないのです。


原因を改善しない限りは、


身体は腰の痛みというメッセージを送り続けるばかりか、


しだいに心身全体に影響を及ぼすことになります。


 特に疾患の見当たらない腰痛を非特異的腰痛と呼びます。


つまり、背景にストレスが存在しているのです。


そして、正さなければならないのは、


「腰」ではなく、個人要因や環境要因にある無理な状態なのです。


その意味で病気は習慣が集まったものということができます。


一見、遠回りに思えても、原因、


つまり習慣に相談者が自覚的にアプローチすることは、


問題解決の確実な方法になるのです。