やさしく触れられるという行動は、相手から肯定的に受け止められていることの現れです。


それを感じられることが、脳の発達はもちろん、人間の生存にとって、食欲や睡眠より遥かに重要です。


つまり、触れ合うことは心の原点でもあるのです。だからこそ、安心と保護感は幸福感とイコールで結ばれるのでしょう。本能的な欲求である集団欲(関係欲)は人間の命綱なのです。




感受期、臨界期とよばれている出生後1時間以内に、脳幹部の支配を受けて起こる本能的行動の中に自然な母子交流があります。


暖かい交流(安心と保護)の原体験により、「生存条件」を整える基本的な働きがあります。



1248年ドイツのフレデリック2世が、触れたり話しかけたりすることをまったくしないで赤ちゃんを育てるとどうなるかという実験をしたところ、50人全員が1歳の誕生日を迎えることなく亡くなったという記録(サリンベーン歴史家)があります。



近年では、マイアミ大学のティファニー・フィールドが小児科会議において触れる実験を行なった結果、受けた群は、受けなかった群に比べて体重の増加が著しく、増加率は受けなかった群より31%も高かったという発表をしています。他の効果としては、情緒の安定、睡眠の増加、無呼吸発作の減少、入院期間の短縮などが報告されています。




さらに、クラウスとケンネルの研究によると、出生直後に赤ちゃんを母親に抱かせるグループと、離してしまうグループに分けて研究しました。出生直後の母子の接触は、その後の小児の発育に重要な影響を与えます。


すなわち、出生直後、新生児を母に接触させ「触れ合い」をさせると、これらの母子相互作用を欠如させた新生児より、その後の「体重増加」・「おしゃべりの開始」・「言葉の豊富さ」が2歳の誕生日の時点で明らかに有意差がありました。




「赤ん坊の泣き声は触れることを誘い、微笑みは触れることを継続させる」とモリスは、苦しいときや空腹のときだけに泣くのではなく、触れ合うことを要求しているのだと説明しています。




 また、テイラーによれば、「われわれの身体で最も偉大な感覚は、触覚である。それは寝ているときも起きているときも、主要な感覚である。それによってわれわれは、深みや厚さ、それに形態を知ることができる。


皮膚にちりばめられた感覚を通して、われわれは感じ、愛し、憎しみ、いらだち、心を動かされる」と述べています。つまり、触れ合うことは、人生の手段ではなく、生きることの目的なのです。




 触れ合いを感じる皮膚がこころの状態の鏡であることは、今日の医学が様々な方面から明らかにしています。不適応がジンマシンやできものとして表現されることも少なくありません。


皮膚病の多くを心身症と見る専門家も増えています。内臓の状態も皮膚に反映していきます。触れ合うことは、人間の心の深部へのアプローチとして見逃してはならないものであります。


 私たちのイキイキする行動を抑えているものは、知性や理性では届かない心の深部にストレスという姿で留まっています。


この心の深部へのアプローチをするためには、生理学的理なリラクセーションが必要になります。


リラクセーションは、静かに心の負のエネルギーを自然に解放していきます。