子規は悟りについて驚くべき発見をしている。

「余はこれまで禅宗のいわゆる悟りいうことを誤解していた。

悟りということは如何なる場合にも平気で死ぬjことかと思っていたのは

間違いで、悟りというのは如何なる場合にも平気で生きて居ることであった。」

子規は「写生論」を唱えた。

子規の写生とは、生きることを写し取ることである。

生きかたの原理であるともいえる。

子規の写し取る対象は、自己を含めた全自然であり、自己を自然と同化させることで、

自己を超越しようとした。

子規が7年余りの病床を生き抜けたのも、自然に向かい、「生」を「写」

し取ろうとした彼の生き方が支えたものであった。

子規から学ぶことは、どんな苦悩の中にあっても「平気で生きる」という

悟りを得た自然の心である。