「自分自身が病んでいないか?」

自分の傷つきやすさを敏感さや素質と勘違いして、傷ついている人の気持ちがよく分かるので、そのような人の役に立ちたいと思っていないか。他人を援助する側は健康であるべきです。また、病んではいたけど、今は病んではいない、そういう自覚が必要だと思います。自分の不足しているものを満たすために他者依存していないか、行為選択の理由が自愛的になっていないかを考えてみましょう。



「活動の動機を自覚しているか」

行為選択の理由に何かを否定していることはないでしょうか。例えば、家族の関係において否定しているものはないか。他人は好きなことばかりしていて、私は好きなことは何一つできない。家族の世話に追われて、家事ばかりに追われている。だから自分は好きなことをするのだというような動機では、とてもとても臨床の現場では勤まりません。自己否定や他者批判が動機では、所詮、自己愛におぼれて苦しむのが明白です。「自即他」の世界を自覚することが求められます。また、行動については、いままで何をしてきたかということより、これから何をするかが重要です。


「自分は人生経験が大変豊富だからそれを他人の役に立てようと思っていないか?


自分の経験が人の役に立つかというと、なかなかそういうことはありません。私たちに必要なのは、人の役に立ちたいということであって、その人の役に立ちたいということが、自分の経験と直接結びついているということはあまり考えないほうがよいと思います。だから、懸命にストレスケアカウンセラーとしての技術を磨き続けていくのです。

「人に会うことが好き、人が好きといった感情的な気持ちはないか?」


カウンセラーは出会ったときから相談者の自立を考えているものです。これは当然のことです。確かに、人が好きであるというのは大切な要素であるとは思います。しかし、それだけでは不十分です。私たちは、相談者と会った瞬間から、その人の自立を考えていかなければいけません。つまり、そこには別れというものが前提にあります。ある意味その出会いと別れが、私たちの財産でもあるのではないでしょうか。


「単純な繰り返しを淡々と行えるか?」

能力で一番大切なことは、継続をすることができる能力、これが一番大事だと思います。しかも、その継続の内容は非常に単純な繰り返しであります。もちろん、私たちストレスケアカウンセラーの日常も基本的には単純な日々の繰り返しです。自分の行動がどれほど社会に役立っているかという評価は、それほど簡単でもありません。単純なものを繰り返すことによって熟達が可能であり、真の世界の深さと広がりを知ることができます。奇蹟は単純な繰り返しの中で起きるものです。



「自己管理」

カウンセラーは自己管理能力が必要です。これは当然のことです。私たち自身の心身の状態が相談者に対して影響でるということは、慎まなければなりません。プロとは、自分自身の心身状態に関わらず常に一定の技量の提供が出来る者をいいます。自己管理とは、自分の欲求をコントロールすることに他なりません。


「考える力の源泉である知識の獲得を怠らず、事態を整理し解釈して、先の見通しを立てることができるか。あるいはそれについて努力できるか」

カウンセラー自身の時間的展望(目標)が大切なことはいうまでもありません。存在とは時間であるということも考えられる真理であります。カウンセラー自身がその存在の意味を展開していくためには、常に自己成長のベクトルが必要になります。したがって、カウンセラーにとって思うように運ばない事態は、常にカウンセラーの自己教育の場となります。


「義務」


相談者のことに限らず、他人の中傷や確認できていない話を無責任に話したり、自分の話が周りにどのような影響を与えるのかを考えないで感情的に会話する人は、カウンセラーになるべきではありません。カウンセラーは、決して他人を傷つけまいする姿勢が大切です。私たちは他者援助を目的に学んできました。さらに、その学と術を自分の人生に役に立てようと考えているわけです。いかなる場合にも他者批判は慎むべきです。それはカウンセラーとしての矜持でもあるのです。


「自信と勇気と誇り」


これは、ストレスケアカウンセラーとしての自己教育に尽きます。カウンセラーは常に、自分を育てていかなければいけないと思います。なぜなら、ストレスケアの内容の多くは、啓発することだからです。これは、人が知らないことを示唆して望ましい方向へ導くことです。つまり、皆が知っていることではなく、未知の領域への可能性を示すことになります。このような働きかけを持続的に発展させるためには、個人の欲望を満たすレベルが動機では活動の継続が困難になります。より高次の社会的欲求を持たすことや人が無理だと考える理想の事柄を成し遂げようとする強い意志が求められます。



最後に2つの言葉を紹介します。



「死して不朽の見込みあらばいつでも死ぬべし。

生きて大業の見込みあらばいつでも生くべし」


吉田松陰


人々は、理性を失い、非論理的で自己中心的です。

それでも彼らを愛しなさい。

もし、いいことをすれば、人々は自分勝手だとか、何か隠された動機があるはずだ、と非難します。それでもいい行いをしなさい。

もし、あなたが成功すれば、不実な友と、ほんとうの敵を得てしまうことでしょう。

それでも成功しなさい。

あなたがした、いい行いは、明日には忘れられます。

それでもいい行いをしなさい。

誠実さと親しみやすさは、あなたを容易に傷つけます。

それでも誠実で親しみやすくありなさい。

あなたが歳月を費やして建てた物が、一晩で壊されてしまうことになるかもしれません。それでも建てなさい。

ほんとうに助けが必要な人々ですが、彼らを助けたら、彼らに襲われてしまうかもしれません。

それでも彼らを助けなさい。

持っている一番いいものを分け与えると、自分はひどい目にあうかもしれません。
それでも一番いいものを分け与えなさい。

マザーテレサ