不安には2種類あります。


ひとつは「克服できる不安」と、もう1つは「自分では克服できない不安」です。


特に問題となるのは、後者、「自分では克服できない不安」です



「地震がいつ起こるかと思うと、心配で眠れません」「富士山が噴火するそうですね。どうすればよいでしょう」といった不安ですね。


こうした不安は誰にでもあります。なんとなく言葉に出しているうちはよいのですが、その不安にとらわれ過ぎて、生活をうまく送れなくなる場合があります。


精神病理学では、こうした考えてもどうにもならないことに捉われて、ずっと考え続けてしまうことを「非生産的思考」といいます。



心のバランスが崩れて疲労がたまると、こうした「非生産的思考」に陥りがちになります。


ですから、私たちがカウンセリングをするときは、不安そのものというよりも、その不安によって生活がどうなっているかに注目します。



対応としては、不安をなくそうとするのではなく、不安を持ちながらいきいきと生活が送れるような指導をしていきます。


具体的には、不安はそのままにして、生活の活動量を増やすようにします。増やし方は人によってさまざまです。



たとえば、先日は高校生の女の子があることが原因でひきこもりになり、不登校になった、とご両親から相談を受けました。


本人から話を聞くと「映画が好き」と言うことでしたので、「TSUTAYAにビデオ借りに行ってはどうですか」とアドバイスしました。


それができるようになったら、次は映画館に行かせました。


そうやって、日常生活の行動を増やしていくと、半年後くらいには、普通の生活に戻ることができました。



大切なのは「心は心だけではコントロールできない」ことに気づくことです。


心だけでなくカラダを動かすこと、カラダからもアプローチすることで問題が解決することは少なくありません。


不安に押しつぶされそうになったら、心だけで解決しようとせずに、カラダからアプローチして心の緊張を取ったり、外に出てカラダを動かしてみてください。