「今時の若者は・・・」と大人が口にするのは、有史以前からのものであるが、若者の行動は社会の鏡であると考える必要がある。



大人は、若者の行動をみて、大人自身の行動を修正すべきではなかろうか。個の自由が勢力を増してきた現代社会において、家族の形は多様化してくだろう。そして、家族のしがらみは否定される傾向にある。


いや、戦後の家族モデルはすでに制度疲労しているといえる。家族を否定することは、その延長にある市民社会、国家を否定することである。


家族を持ちたいが、将来が不安だ。家族は社会構造の中にあるので社会構造の改革がなくては家族の安定は得られない。社会構造がそのままで、家族だけがよくなることは不可能である。


日本は様々な問題を抱えているが、貧困と生活格差の是正が大きな課題の一つである。日本は国民総生産こそ大きいが、貧困率をみるとOECD諸国の先進国中第3位の効率で、低所得者が、特に若者が苦しい生活に喘いでいる。


また、所得分配不平等度からみる格差もイギリスやアメリカと並んで下位グループにあり、個人の努力が報われない社会になっている。これは、現代の日本の社会に公平さが欠けているということである。


しかし、資本主義を軸とした民主主義の「機会の平等と結果の不平等」という問題は、簡単には解決しそうもない。


 つまり、日本は不安定な状態である。このため、生活の豊かさを目指すために教育費に多額の投資を行い、自己防衛として、医療や老後のために少しでも蓄えようと金銭欲が高くなっていく。日本は、一番大切なものが、「健康、家族、お金、仕事・・・」となるが(国民性比較7カ国 1998)、一番大切と思うものの上位6位以内にお金を上げる国は先進国の中では存在しない。



 日本の家族が安心して、将来に明るい展望を持つためには、経済、労働、価値観、そして教育の社会構造を改革しなければならない。そして、すべての人が普通に働いて、普通に暮らせる社会の実現を期待したい。

 いや、われわれの世代でそういう社会を成し遂げなければならないと思う。