あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。



バランスセラピー学の目標とは、これまでに身についた「思考や生活のパターン」の積み重ねを望ましいものに変えていく「行動変容」と、様々な環境に適応していく力を身につけていく「適応促進」です。


人間は生まれてこのかた、さまざまな環境条件のもとで、成長や発達を遂げてきています。しかし不幸にして、そのような条件にうまく恵まれず、心理的に重荷を背負わされ、イキイキと生きることに挫折したり、失望したりすることもあります。


このような状態や状況に遭遇した時に、人間は限りなく成長するということに全幅の信頼を寄せて接することができる資質や特性を持つことが大切です。そして、その特性を持った人には、近づいても傷つけられない、安心できる、何でも隠しへだてなく尊重してもらえる、人生は生きるに値するといった感じを受けるものです。


よく言われる「暖かさ」「柔らかさ」といった雰囲気を感じさせる人は、このような痛みを成長の機会にする資質を備えているのです。


そして、その人の原体験のなかに必ず、本当に他者によって自分が成長を援助され、促進させられたという貴重な体験をもち、自己と他人への信頼に裏づけられたものを備えています。


このような信頼は、生まれながらに備わっていると言うよりは、生まれてからその人の生涯のなかで、絶えず啓発させられ、培われてゆくものであるといえます。



例えば、BTUの生涯教育の実践を行う人は、自ら挫折し、苦しみ、それを自己教育によって人間の成長に変えていく能力を引き出しています。自分が苦しんだので、他者を苦しめるエゴイズムにも敏感です。


他者を苦しめたくないと思います。だから、他者の信頼を裏切りたくないという他愛的な行動や気持ちも出てきます。


しかし、挫折経験もなくて自己教育もどきを行なった人は、その経験がないため人間成長が成就されません。また、順調に、社会人として成功した人にも、挫折体験がなく、批判される立場になることもなく、ただ、過去の遺産にすがり、自分の実績や知性をほこりがちかになり、人生の起伏や変化にもろくなります。




人間の成長ということを考えた場合、挫折した人が成長をする場合と同じく、苦しみに陥った心、そこから、克服していった体験があって、人間的成長の資質を育成される過程が含まれていることになります。


つまり、学ぶというそのままでは、まだ成長の能力が習得されていないことになります。


自分の苦の解決と、他者の苦しみへの共感的能力は別ものではありますが、自己教育と同じくその過程の中で、「他者の苦悩」を幅広く考察し、さらに自己成長を果たすための学習をすれば、よき人間性、人間力を備える資質がそなわる可能性が強いと考えます。



人間成長の要素や実践を軽視し、文字の解読、知性を重視する傾向は、そのままでは、よき成長の資質が学ばれていないことになります。


苦悩や困難を自分自身で乗り越える体験こそ、成長の資質を養う場です。つまり、自分の能力を引き出し、伸ばし、発展させるには、問題の原因が自分自身にあるという自覚が是非とも求められるのです。


これまで述べてきたことをまとめると、それは、幸福の決定要素を自分自身で遂行するためのセルフケアということになります。セルフケアは、人間一人ひとりの中にすでに備わっている資質を引き出していくことにほかなりません。


BTUは、これまで30年間地道に家庭や地域、職場を支える人材供給の機関として社会活動をしてきました。


そして、これから30年は生涯教育の価値を高め、100年先を見据えたストレスケア・カウンセラーの育成を軸に社会の「笑顔と感動」を増幅させていきたいと思います。

最後に空海の言葉をご紹介します。


「善を廻らす施主は、禍を転じて福と為す」

(性霊集・しょうりょうしゅう)

困難のたびに自然性を学び、何事にも耐えていけるように自分を深めて成長させていくことができたなら、その困難は、まさしく福に転じたといえます。


何度でも立ち上がり、何度でもやり直せることができるのが人間です。


本当の出発は困難から始まります。

平成25年1月1日 美野田 啓二