時々、「その資格は国家資格ですか」 というご質問を受けることがあります。




現在、心理カウンセラー関連の国家資格はありません。一般にカウンセラーの資格は学会や任意団体が授与しています。


日本では、臨床心理士のほかに、心理学関係の学会や任意団体が認定するカウンセリング資格が数多くあります。


これらの資格は、大学院博士課程(前期)修了を要するものからそうでないものまで、また、1980年代に認定が始められたものから、最近始まったものまで実に様々です。


カウンセラーになろうと思ったら、それなりの理論とそれなりの技術を習得する必要があります。


カウンセラーは自分を知り、自分が考えていることに相応しいカウンセラーになることが大切です。


そうでなければ、「カウンセラーまがい」ができてしまいます。したがって、自分らしいカウンセラーを育ててくれるようなところで、教育訓練を受けることが大切になります。


本物のカウンセラーは、自分という人間を育て上げていく中で、カウンセリング技法を身につけていくのです。


以下は、心理職の最近の動向です。


20111226日付けで、共同通信社を情報源とするものと思われる「臨床心理士を国家資格に 民自、法案提出で調整」という見出しの記事が東京新聞、産経新聞、インターネット上の47news等に掲載されました。


しかし、この報道が誤報であり、既存の心理職を国家資格化するものではないという日本心理学諸学会連合理事長の声明が翌日に発表されています。


つまり、国家資格への動きは、「臨床心理士」ではなく、心理学一般を基本モデルとして再構築しようとする「心理師」だということです。



臨床心理職国家資格推進連絡協議会の要望事項によると、医療・保健、福祉、教育・発達、司法・矯正、産業等の実践諸領域における汎用性のある資格として、名称を心理師(仮称)と定め、受験資格として、学部で心理学を修めて卒業し、大学院修士課程ないし大学院専門職学位課程で業務内容に関わる心理学関連科目等を修め修了した者。


あるいは、学部で心理学を修めて卒業し、業務内容に関わる施設において数年間の実務経験をした者も受験できるとしています。


まとめ


現在、心理職(カウンセラー)には国家資格がありません。そのため、新しい名称の心理職(心理師・仮称)を国家資格にという動きがあります。しかし、心理職の国家資格への法制化の実現には様々な課題をクリアしなければなりません。


心理職は、医療や福祉、学校、産業などの様々な分野での様々な活動があるため、名称独占に関する懸念や医師などの関係職との連携、複雑な監督官庁の問題や既存のカウンセラー資格者の取り扱い、現行の臨床心理学と心理学一般の教育問題など解決しなければならないことが山積しています。