カウンセリングの領域で、

自己受容という考えを初めて公にしたのは,

ロジャース(Rogers,C.R.)である。

ロジャースは、自己受容を

「クライエントが価値ある一人の人間として

非難よりむしろ尊敬に値するものとして自分自身を知覚すること」

であり「自分の基準を他人の態度や願望に基づいたものでなく、

むしろ自分自身の経験に基づくものとして知覚すること」で

あると定義している。

しかし、自己受容に関する先行研究において、

各研究者に共通した自己受容の定義・見解は未だ確立されていない。

 

各論抜粋

  1. 自己受容はありのままの自己を受け容れようとする「態度」「姿勢」やその「過程」であり、自己の様々な側面に対し、客観的に距離を置いてみることが出来るが、自己を全体として暖かく受け止めようとする姿勢であると考えられた。(春口.2015)
  2. 自己受容は、成熟したパーソナリティーや心理的健康の一指標と考えられており(オルポート.1961;板 津.1994;鈴木.2010)、良好な人間関係の重要な要因になり得ることも指摘されている(板津.2006)。セラピスト自身の自己受容もクライエントを受容するうえで必須であると考えられる。
  3. 自己受容は「ありのままの自己を受けいれること」(伊藤.1991;上田.1996)と一般的に定義されることが多い。「人間性心理学ハンドブック」では、自己受容は「自分自身を、好ましい面も好ましくない面も含めて受け容れること」と定義されている(飯長.2012)。
  4. マズロー(1970)は、健康な人々は「自分自身やその性質を無念さや不公平を感じずに、また、その問題についてあまり考えることなく受け入れることができる」「彼ら自身の人間性を、すべてその欠点を認め、理想の姿とは食い違っていることを承知しながらも、受け入れることができる」「人間性のもろさや罪深さや弱さ、邪悪さを受け入れることができる」とし、自己実現的人間たちは「すべてのレベルで自分自身を受容することができる」と述べている。
  5. 例えば、釈尊においては「全ての生は苦しみである」という真理が述べられており、紀元前から人生の本質は苦しみであることを受容するよう説いている。
  6. スニッグ(1959)による自己受容とは、自己の現実の姿について正確な観察を行ない、自己の特徴を十分自覚していることを意味するもので、個人の自覚内容を価値判断を含めずに受けいれることであるとした。しかし、ロジャーズ(1949)以来の受容研究では、自己および他者に対する肯定的態度をさすものとし評価と同義に扱われている。
  7. ヘーゲルは対象と対立している状態を「意識」、相手と自分を側面からみている客観を「自己意識」、自分と対象を俯瞰し、対立している壁の向こう側をも見ている状態を「理性」としている。このヘーゲルが説いた理性は自己受容と重なる。

 

以上、見てきたように自己受容とは、ありのままの自己を

「その時点で」「どの程度」受け入れているか

といった結果についての認識を意味するのではなく

ありのままの自己を受け入れようとする自己に対する

「態度」や「姿勢」、またはその「過程」を

意味していると考えられる。

 

バランスセラピー理論の自己受容は、

自己受容を単なる心理学研究の対象や知識としてではなく、

自己成長へ向けて実践的に捉えるために、

自己受容の定義を次のように定義にしている。

 

自分自身の体験には一切の無駄はなく、

その体験には、自分自身の人生が成長する

意味や価値が含まれている

 

 

自己受容で大切なことは、

何かを発見することが目的ではなく、

常に自己への探究心を持ち続けることである。

リラクセーションへの信頼、自律(自然性)した世界。

自分自身の体験を受け入れることは、

自分の成長と高みへ至る未来を信じていることの証である。

 

有朋会でも2020年は自己受容について研究を

進めていきましょう!