ストレスケアの技術の適応力を磨く。

(どのような状況にもすぐさま適切に対処する)

 

「技術(特定の技法)を家族や知人にしているのに、練習会に参加するとうまくいかない」という経験はないだろうか。その理由は、同じ人に同じ技術を繰り返し行なっていると、適応力が失われ、相手の変化に順応できなくなっていくからである。特定の人には対応できるが(特定の人も変化しているので、実はそうでもない)、違うタイプの人には対応できなくなる。

そして、最も気をつけなければならないことは、同じ技術ばかりを練習していては、その技術の機動性の発達(効果)に結びつかないことだ。

では、どうすれば多様性のある人々に対して適応力を発揮することができるのか。カウンセラーは、同じ人に繰り返し行なうことで、「こうなる、こうだ」という経験を積み重ねていく。その結果、カウンセラーは相手の変化を捉える能力を奪われていくことに気づかない。そして、相手が変化しても、その変化が捉えられず、技術を通じた相互理解、信頼感が失われていく。

技術が予測された操作になれば、画一的、機械的になってしまう。初心者ほど、経験が少なければ少ないほど、実施する人数が少ないほど、変化する相手の動きの予測範囲が狭く、洞察力が低い。経験を重ねることや感性を高める意味は、相手の変化を捉え、相手の身体メッセージを瞬時に技術へフィードバックすることに他ならない。

適応能力を磨くには、その技法に含まれる要素だけ訓練しても限界がある。例えば、歪Aコースはわずか4つの要素で構成されている。この4つを繰り返し練習していても、歪Aが上達できるわけではない。つまり、関節の可動域の把握、リズム、静止(固定)、解放、パワーをはじめ、ホメオストレッチ群全体を通して、様々な動きを研究する必要がある。その結果、個体差に対応できる技術が身についていく。

今回の秋の技術研修では、浸透圧、肩甲関節、上腕、整形学的脚長差の4つが課題である。いうまでもなく、これらの個別の技術の熟達は、他の技術の熟達に極めて深く関係している。くれぐれも、使う頻度、個人の経験知によって技術の優劣を決めてはならない。頻度の少ない技術こそ、経験知の少ない技術にこそ、自分自身が得意としている技術熟達ための要素が含まれていることを忘れてはならない。